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2005年10月28日 (金)

<発毛剤>国内発売延期

<発毛剤>国内発売延期 「出荷体制を整備に時間かかる」(毎日新聞) - 10月25日

 25日とちと古いニュースですが。
 「予想以上に反響があり、出荷体制の整備に時間がかかる。医薬品である以上、安定供給しなければならない」とのこと。出荷体制のうんぬんは、発売日当日に取材したときおっしゃっていましたが--------。やはり反響はすごいのか? でも、基本的に「皮膚科経由で供給」とのこと(美容外科とは言われなかった)。と、なると、皮膚科で脱毛治療行うことになるが、アメリカ(ならびに国内でも)一般的にセットとして使われるミノキシジル5%以上の塗布剤(ロゲインなど)はどうなるのだろう? あれは国内未承認だ。一般的な皮膚科でも個人輸入して使うってことなのか? あるいは家でリアップかけてください、とでもいうことになるのか。
 これは難しい。結局、ロゲイン+プロペシアを個人輸入しちゃう人が増えるのでは? なんか行政、片手落ちな気がしますが。いや、それとも大正製薬がこの機に乗じて2%へと濃度アップ作戦に出るのか? 目が離せません。

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2005年10月27日 (木)

今日のQ 「13  胃ガン持ちはハゲない?」


「NO……?」
 いくつかの胃腸科の外科、内科にそれとなくご相談したんですが、どうやら関係はなさそうです。というか「全然注意してないからわからない」けど、特にそんなことはないんじゃないかなあ、という程度のお答えでした……。
 「禿げにガンなし」というこの俗説は古くからあるのですが、昔まじめに取り組んだ人がおりまして、1969年、柿添健二医師が『久留米医誌』に発表した「胃癌と禿頭との関連性」というレポートがそれです。
 これによると、正常人禿頭率に対して、胃癌患者は軒並み禿頭率が低く、三分の一程度ということ。正常人7082人に対して、禿頭が763人(10.8%)。胃癌患者663人に対して禿頭が30人(4.5%)とのことです(「禿頭考」清水ちなみ 中央公論社 1996 を参照)。年代別に数値化もしてあって、面白いレポートになってるわけですが……。でも、これは厳密に言えば、「禿げにガンなし」でなくて、「ガンに禿げなし」。喜んでいいのか悪いのか------微妙っす。
 残念ながら、今回は、この事実すら裏付けられるような印象を医者から得られなかったわけですが------、これはもっと取材するに足る題材です。というのも、肺結核にも禿が少ないというような情報があるようなのです。
 「男性型脱毛の傾向を有するヒトは一般に毛深く、肺内疾患、癌に抵抗が強いようである。脱毛の傾向と、これら各種の疾患に陰陽両面から背景を用意するものが内分泌学的環境、とくに男性ホルモン優位性ではなかろうか」(『毛の医学』 荒尾竜喜 文光堂 1987)とのこと。
 この説が正しいかどうかは検証を待たねばならないですが、男性ホルモンの作用のひとつとしてある種の病に抵抗があるというなら、可能性はありますね。というのは、ある種の病気は男性ホルモンの感受性とはっきり相関があるからです。
 例えば、男性ホルモンレセプターの感受性の強さは、男性型脱毛の発症しやすさを示すだけでなく、前立腺肥大症の罹患しやすさとしても使えます。具体的に言えば、このレセプター遺伝子の塩基配列で、CAG(シトシン・アデニン・グアニン)という並びがいくつか繰り返されているところがあります。ここの繰り返しの数が短いと、それだけ男性ホルモンに反応しやすいということです。それだけ男性ホルモン的データが伝わりやすいというか、小難しく言えば「転写活性」が高く、反応が素早いのでしょう。逆に、CAGが長いと、転写活性が低いからハゲにくいということにでもなりましょうか。(ここらへんこみ入ってるので、自著を参照いただきたいです-----)。
 ところが、このCAGリピートがあまりに長すぎると、(滅多にない病気ですが)今度は球脊髄性筋萎縮症(進行性の四肢筋萎縮、性腺機能異常、女性化乳房)というやっかいな病気が疑われてきます。他、ハンチントン舞踏病(手足の間断ない震えや行動異常を引き起こす病気)などの一部の遺伝性の精神・神経変性疾患は、このCAGリピートが長すぎるため引き起こされるという一面があるようです。遺伝子のCAG配列は「グルタミン」というアミノ酸を作り出す部分で、長すぎるグルタミン(ポリグルタミン)がこんどは細胞毒・神経毒として悪さを働くのでしょう。
 短すぎても長すぎても良くない。どーしましょうかね。いずれハゲ対策にも遺伝子治療が取り入れられてくるでしょうが、難問が山積みです。実際の遺伝子の働きとは、ある遺伝子がある遺伝子に刺激を与え、そらに他の遺伝子を叩き起こし-------と、複雑きわまるメカニズムが横たわっているのです。
 もちろん「今そこにある危機」に対処するのは最優先事項ですが、私は時々、こうも思います。男性型脱毛とは、自然が個々の人間に振り分けた生存戦略のひとつのあらわれであり、ものすごいラッキーな側面もあるのではないか? 貧血起こしやすい鎌形赤血球の持ち主が、マラリアにかかりにくいように? 
 -----髪とは調べれば調べるほど奥深いモノです。


 

次回のQ 「14 猿はハゲる?」




「双田譲治の 〜果てしなき髪の世界〜」


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2005年10月26日 (水)

驚異のダイエット枕

<ダイエット枕>通販業者に業務停止命令3カ月 経産省(毎日新聞 10月25日)

「ただ寝るだけで20キロ減」「座るだけで20キロ減」というふれこみの枕・クッション販売会社が、特定商取引法違反で3ヶ月の営業停止だそうです。

 しかし、ダイエット枕……。笑いました。どう考えてもありえないような気がするのですが、どうしてこんな商売が成り立つのか不思議です。
 あの一時期大人気だった「ボウズ」とかいうダイエット食品も、以前、効果なしと判断されて大さわぎになりましたが-------------
 この「枕」にいたっては、買った人がいるんでしょうか。いるから問題になったんでしょうね。あの手この手を試してうまくいかなかった人が、神頼み的な気分でひっかかったのではないかと思います。
 あと、使用前使用後の写真で惑わされたのかもしれませんね。ああいうのは、どうとでもなっちゃうので、鵜呑みにすべきではないのですが……。
 
 例えば、育毛剤なんかの改善例写真なんかがありますが、ありゃ分け目を変えればどうとでもなる場合が多いんです。あるいは------私が実際に見たわけじゃないですが、抗ガン剤治療の前後の写真をひっくり返して見せるとか、さまざまなテクがあるようで。
 おおかたダイエットの写真なんかも、手術前とか、思春期の頃やたら太っていた時代の写真とかとういうものを扱っていたりしてね。

 髪と同様、肥満というのも遺伝的なものが多いので、これは個人がどうがんばっても仕方ない部分があります。
 こういった人の弱みにつけこんで、ダイエット枕で痩せるとか、サプリメント飲めば体質改善でやせるとか、髪が生えるとか、ガンが治るとか……人とは思えないような商売だらけですが
 「世の中うまい話はない」んで、気をつけましょうね。

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2005年10月24日 (月)

閑話休題2「自著購入の試練!」

 いや、こないだですね、自著が急に入り用になって、購入しなければならなくなりましてね。池袋のJ書店に行ったんですが……。いろいろと考えさせられましたんでそのご報告を。

 まずね、これがなかなか見つからないわけです。
 これ、お読みになっていただいた方にはわかると思うのですが、この「育毛物語」-----僕はノンフィクションあるいはジャーナリズムとして書いたモノなんですよ。

 ところがですね、実際、本は健康関連の棚に置かれておりまして。つまりは実用書扱いです。もちろん実用的にもじゅうぶん使えるよう気は配ったわけですが、心意気はガツンとノンフィクションですよ。
 ところが、『すぐ治る若ハゲ〜』『驚異の発毛法〜』とかなんとか、「おい、おまえありえないだろ?」と突っ込みを入れたくなるような本の中に混じって置いてある。

 で、これ、どこの本屋さんでもそうなんですってね。けっこうショックです。
 個人的にはジェンキンスさんの告白本の隣に平積みしてもらいたかったんですが……(無理か)
 まあ仕方がないか、と観念して本を手に取りレジへ向かいました。

 ところがですね------なんということでしょうか! 
 二度目の衝撃。人目が気になるんですよ! 私、著者なんですが!
 表紙をこう隠すようにですね、足にくっつけて歩いたりしまして。ほんと、これは驚きましたよ。装丁というのは奥が深いです。買いづらいものだとは、ぜんぜん想像してなかった……。想定外すぎて、レジの女の子の前で挙動不審になって口笛吹く寸前でした。

 しかし、恐るべきはこの私の自意識。もとはといえば、この取材に私を駆り立てたものも、ハゲを異様におそれる過剰な自意識だったんですが。
 本を書いたのに……、取材を通して客観的に自分の状況を理解したつもりなのに……、毛量は回復してきたし頭皮の調子も良いのに……、
 将来へのおそれはまだ払拭されてないというところですか。
 
 なぜ私はショーン・コネリーみたいになれないのか!  
 007の撮影が終わるとさっさとカツラを脱いでくつろいだショーン・コネリー。
 「人前ではカツラを着けろ」とのマネジャーの小言を、「勝手にさせろ」とつっぱねたショーン・コネリー。
 「007は二度死ぬ」で共演した浜美枝が「カツラを着けているほうが男前なのに」と意見を述べると、すかさず「ハゲるということははずかしいことじゃない」と返したショーン・コネリー。

 おお、ショーン・コネリー!!

 とはいえ、こんなシビアな通過儀礼を要請する「育毛物語」、けっこう売れているようです。みなさまのショーン・コネリーばりの胆力に感謝するばかりでございます。
 こちらもショーン・コネリーばりに体張って取材しましたから、ま、おあいこというところでよろしくお願いします!(?)。まあ、のど元過ぎればなんとやらで、損はさせませんので。

 ということで、明日(というか24日、今日ですか)発売の週刊朝日で、また書かせていただきました。ちょっと大きめの特集で、「育毛物語」の中からちょこちょこつまみぐいして記事にしております。
 こちらは、また別に識者のコメントをちりばめた感じに構成してますんで、よろしければご一読ください。
 

 
  

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2005年10月21日 (金)

閑話休題1

 難しいQを建ててしまったので更新がなかなかできません……。「胃ガン持ちはハゲない?」。
 どうしてこんな俗説があるのか? 昔、統計を取って発表した医者がいるからなんですが……なんという迷惑な。胃ガンの人なんて、そんな、頭どころじゃないでしょうに。
 今日はガン研究センターなどに取材の電話かけようと思いましたが、不謹慎すぎるネタのため、なかなかできませんでした。
 というか------仮に胃ガンにハゲが少なかったとして、すすんでなる人がいるのか? という根源的な疑問もありますが……めげずになんとか調べます。ということでしばしお待ちを。
 ちなみに、インディアンの方は調べております。最近、新製品のシャンプーでやたらインディアンを持ち出してきてるのがあるみたいで、私に来るメールなんかにも、時折宣伝がくっついているのですが……。広まっているんでしょうか、このシャンプー? 
 というかあんな悲惨な乾燥地帯でインディアン、しょっちょう髪やら体やら洗わないだろうという気がしますが。「ホホバオイルで汚れを取る」って……インディアンはクレンジング目的で使うんでなくて、乾燥防止で塗りたくってると思うんですが……、まあ、アレですね。私の持論では、シャンプーは添加物より洗浄成分を見た方がいいので。
 けど、ネットの宣伝ページのどこにも書いてないですんですね、洗浄成分。
 思うのは、ネットでこうした商品を売る時って、例えば化粧品だったら全成分表記しなくてもいいのかということなんですな。医薬部外品なら指定成分を、です。
 買う前に成分把握できるように記載されるべきものなら、ネット上でもちゃんと表記すべきだと思うのですが-----薬事法はネット販売では無視されているんですかね。
 そうか、厚労省に取材すりゃいいのか。ということでまた宿題ができました……。やっときます!

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2005年10月17日 (月)

お知らせ 5

 えー、本日17日発売の「週刊朝日」のニュースブラウジングのコーナーで、飲む発毛剤「プロペシア」について記事を書いております。
 今回はですね、第一線の泌尿器科の先生から、使用上の注意点などコメントいただいてます。今まで、抗男性ホルモンを専門に扱う泌尿器科の先生からのコメントはなかったんじゃないでしょうか。参考になればと思ってます。見つけたら読んでみてください。ブログもひきつづきごひいきに!

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今日のQ 「12  インディアンにハゲはいない?」


「保留させてください」
 いちおう根をつめて米国yahooやらgoogleを探してみたんですが……いえ、まあとにかくですね、結論はともかく、画像にリンクを張りながら、順を追って具体例を説明してみましょう。
 えー。では、まずご登場いただきますのは、。典型的なネイティブ・アメリカンですね。脂がのりきっている感じであります。これはどうでしょうか。まあ、年齢相応ですか。年齢わかりませんけれども。手のひらぽんとと入りますね。まずこの段階でも、自然な老化現象としての男性型脱毛はやはり見られてますね。でも、えらくかっこいいですね。ぜんぜん「ハゲ」ではない。というよりですね、これ逆に額が狭かったら、彼らしくないですね。彼のことはよく知らないんですが。とはいえ、彼……そり込み部分はどうなっているんでしょうか? ここも重要ですからね。
 ということで、さて2番目の方。そり込み、キテますね。ま、全体的にあがってますが、そり込みから深く入ってきてるような感じですか。しかし……彼もほんとかっこいいですね。もう芸術品です。というかこの画像、売り物の絵ですから芸術品なんですが。
 しかしですね、これ以上すすむとどうなるかというと、こうしますね。もう彼、おじいちゃんですが、こうバンダナなんかお巻きになられるわけです。ガンズ・アンド・ローゼズのアクセル・ローズも若くからこのインディアンの知恵を身につけてましたね。彼はインディアナ州出身でしたか。違いましたか。まあ、どっちでもいいですが、さてこのお方は……問題ないですが、注目してもらいたいのは、子どもですね。早くもバンダナ付けてますね。用意がよろしいですね。ですが、これは大きな壁でして……。インディアンはDNAレベルで、かぶりものが大好き体質のようで、もう画像探しても、どいつもこいつも羽根冠だのバンダナだのターバンみたいな帽子とか被っているんです。あ、なんか怪しいな、と思う感じの人はもうみんな被っている。被ってない自信たっぷりな人は、例えばこういう人ですけど、彼なんてこれ……前頭部写ってないですけど、横のラインから考えてまず大丈夫でしょう。ハリネズミみたいな髪ですね。92歳って本当ですかね。彼、お仕事「メディシンマン」(呪術師・医者)ということですから、何かすごい薬使ってるんでしょうか。メルク社と提携すれば一儲けですね。
 さて、こうやって、いちおう調べたつもりなんですけどね、いわゆる典型的なハゲの画像がね……あんま、ないんですよ。それどころか調べれば調べるほどハゲ率は低くなっていきましてね、こういうのとかね、こういうのとか、見るとね、「インディアンにハゲがいない」って、もしかして本当なんじゃないかと思いました。
 しかもね、もうこのお方なんて、いやがらせみたいな髪ですよ。これ、そもそも地毛ですか? というか、インディアンはハゲないどころか、年取ると髪が増えるんですか? 
 でもね、見つけました。通称”モーニング・イーグル”のピーガンさん。うーん、やっぱり老人はこうでないと安心できません。現実の世界に戻ってきたような気がしてほっとしました。
 ということでですね。男性型脱毛は普通にありますね。そりゃ男ですから。でも、ハゲは少ないような気がしなくもない、と。つうか一枚だけでしたね、普通に「ハゲ」てるな、という画像が。しかもじいさんの写真ですわ。30〜40代で前頭部にふっと寂しげな透け感が漂うような画像は残念ながら今回見つからない。額が広い人はいっぱいいるんですけどね。生まれつき額が広いというのでもなさそうなので、やっぱ男性型脱毛は進行していってますよ。特筆すべきは、こう、密度を保ちながら上がっていくという最高な脱毛。-----と言うことで、今のところの感想としては、インディアンというのは、実に男性型脱毛と美しくつきあっている感がします。所ジョージみたいですね。
 とはいえ、ちょっと今回、データ不足は否めません。個人的には、あのバンダナ連中のなかには、「あれ?」と思うようなのもけっこうおりますし。後日改めて……文化人類学者に取材とかしてみようかと思いますので、保留、ということでよろしくお願いいたします。 


 

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2005年10月13日 (木)

今日のQ 「11 男性型脱毛は医療用の薬で治せる?」


「No」
 非常に微妙な問題で、ある意味Yesなんですが、かなり男性型脱毛が進んだ人で、満足いくまで回復する例は滅多にないだろうので、こう答えておきたいです。
 医療用薬物というと、代表的なのはフィナステライド(プロペシア)とミノキシジルですね。まあ美容外科とかでは、ミノキシジル5%のロゲイン(国内未承認)とか使いますね。12.5%なんてスゴいの用意しているところもありますが。
 えー、ミノキジルはひとまず置いといて、プロペシア。ちょうど、おととい承認されたということで、その話題をしましょう。てのも今日、万有製薬さんに取材しましたので。で、いろいろ教えてもらったんですが、まあ、0.2mgと1mgがあるわけですよ。で、それぞれ有効度は54%、58.3%なわけでした。まあ50%くらいですか。日本人の半分に効果が出るかも、という薬なわけですね。0.2mgも1mgも有効度があまり変わらないのは、この薬物が容量依存型でないからなんです。つまり効く人には効くし、効かなきゃ全然ダメ。自分に効果があるか、どうすればわかるのか? まあ、6ヶ月使ってみるか、あるいは毛髪治療クリニックで遺伝子検査により男性ホルモンレセプターの感受性を調べることである程度予測できるといいます。(実際この検査受けてみましたけど、2万円かかりましたね、新宿のJクリニックでは)
 で、気になる改善率ですが、軽度が48%、中程度が9%、顕著が2%です。まあ、軽度は「脱毛が止まる」、中程度というのは「目に見えるほど毛量が増加した」というところが基準です。となるとプロペシア、すごいですよね。でもね、リアップでは7割の有効率で、その有効だった人の中での改善率は軽度が73%、中程度27%とのことです。じゃ、プロペシアなんてリアップ以下なのか。まあ、以下ってことはないようですね……結局こういう有効率だの改善率の判断は、主観でどうにでもなるところが多いので、あまり鵜呑みにはできません。濃い産毛とかでも、まあ目に見えるほど増加したって言えなくもないでしょう。
 ということで、やはり医療用薬物とて、まだまだ満足に足るものではないようです。まあ、体質的にすごく効いちゃう人はいるでしょう。すごく、稀に。
 えー、結局、まだまだ満足に足るレベルの毛髪治療薬は存在しないでといっても良いでしょう。つまり、ホルモンを止めて毛のミニチュア化を防ぐのはできても、サイズの回復まではできない。ミノキシジルのほうは、そういう役割を「ちょっと」してくれる薬ですが、まだまだ力不足といわざるを得ないです。いくぶん薄い人がいくぶん治るっていうくらいは達成できますが、かなり薄くなった人がモッサモサになるような毛髪治療薬ができるのは、とうぶん先のことです。  


 

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2005年10月11日 (火)

お知らせ 4

 最近、長すぎて読めない、なんだかしちめんどうくさい語句が弾丸のように飛び交っていてワケがわからないという感想をいただきます……。短く、わかりやすくしようと心がけていたのですが、どうしても不足がないようにと書いていくと、いろいろと情報を盛り込んで長くなってしまいます。
 ということで、ブログはもすこし気楽な雑文にしようかと思ってます。で、もちろんQ&Aは続けます。こちら重要ですんで。ブログでは、質問だけ載せまして、解答はホームページに移行しようかなと思います。ホームページ内では、難しい語句などは辞典に解説も用意してますから、そこへリンクするなりするなりすれば、もっと読みやすくなるのでは、と思っています。
 ちょっと試行錯誤してみますので、ひきつづきごひいきに!!

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2005年10月 8日 (土)

今日のQ 「10 市販のシャンプーは脱毛の原因になる?」


「Yes」
はじめに断っておきたいのですが、男性型脱毛は、シャンプーをどう変えようと抑止できません。男性型脱毛はあくまで、体内のホルモンの問題だからです。あくまでもここでは、頭皮の健康を守るためと話を限定して、より良い洗浄剤選びについて話したいと思います。また、市販のシャンプーのすべてが悪いわけでなく、その「一部」が、頭皮の健康を損ないかねない、という意味で解説します。
 言うまでもなく粗悪なシャンプーというのがあまり良くないことは確かでしょう。粗悪とは、どんなことかというと、洗浄力が強すぎたり、刺激が強すぎたりということです。洗浄剤は、皮膚への負担を軽くするために、どんどんと進化してきました。新しいものが良いというわけではないですが、問題があったために使われなくなってきているものは、避けておくのが正しいかもしれません。指定成分というものがあります。これは、今や医薬部外品にしかないのですが、アレルギーや接触性皮膚炎などのおそれがある物質を、リストアップしたものです。まだ成分が少なかった20年以上前のものなので、これですべて事足りるわけではありませんが、いちおうの目安としては使えます。
 シャンプー成分で気をつけなければならないのは、具体的に言うと、ラウリル硫酸ナトリウムと、ラウレス硫酸ナトリウム、この二つの指定成分です。他にも似たような成分はありますが、とりあえずこれを避けるようにすればいいと思います。この二つが表示成分の上位に書き込まれている場合(配合量順にならんでいるのが普通です)は、特に気をつけたら良いです。ラウリルは1928年に開発された合成洗剤成分で、洗濯洗剤、シャンプーにすぐ転用され、いまだ使われています。この成分は、脱脂力・刺激性ともに強すぎたため、これにかわって、ラウレス硫酸ナトリウムが登場しました。こちらは、今でもシャンプーの主用洗剤でもあり、また台所洗剤の主要成分でもあります(通産省管轄の台所洗剤では、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、あるいはAESと記載)。これらの成分を使用した洗浄剤は、「植物性洗浄剤」「ヤシから生まれた」などと宣伝されますが、ヤシ油を高圧還元して得られたアルコールを用いただけであり、強い合成洗剤であることにかわりません。(一方で石油原料の合成洗剤もあり、こちらも脱脂力、刺激性は強い傾向があるので気を付けたいものです)
 ここで、問題にしたいのは、ラウレスあるいはラウリル硫酸ナトリウムは、決して洗顔料やボディシャンプーなんかには入っていないということです。これは、どういうことかというと、シャンプーは、肌を洗うことを想定して作られているのではないということです。化粧品会社はシャンプーを髪のみを洗うためのものとしてとらえているのでしょう。ですから、皿洗いと同じ成分が使われているのです。とはいえ……洗髪の際には、当然地肌をも洗うことになります。これが問題だと言えましょう。
 ただし、これはある意味仕方ないことなのかもしれません。なにしろ、ワックスやムースなどを塗りたくった頭をきれいに洗浄するとなると、肌に優しい低洗浄力成分ではとうていこなせないからです。今や多くの人がシリコンやファイバーなどを含む耐久性のある整髪料を使用している以上、シャンプーは強力な洗浄成分と、洗浄後になめらかな手触りを残すコーティング剤や保湿剤などを詰め込んだものとならざるをえないのです。(特に、髪のキューティクルの補修は、各メーカーとも最大限に力を注いでいる分野です。こういった補修剤も、やはり地肌を思えば、不必要、あるいは害となるものです)。
 こうしたことから、市販シャンプーの多くは、育毛にはあまり適したものとは言えないでしょう。万人の頭皮トラブルの元凶とまでは(データがないので)言えませんが、成分には気をつけるべきなのです。
 現在は、低洗浄力・低刺激のシャンプーも開発されるようになってきています。ココイルグルタミン酸ナトリウムなど、アミノ酸系洗浄成分を使用した製品などが代表です。ゴツイ整髪料を使わない限り、こういった地肌のことを考えたシャンプーを使うのが良いと思われます。あるいは、低洗浄力ですから石けんを使用するのもいいでしょう(合成洗剤の入った固形石けん<複合石けん>なども存在しますので、気を付けましょう)。もし、こういった製品がなかなか手に入らない場合、洗顔料とかボディシャンプーで洗ったほうがまだ地肌にはましでしょう。せっけん同様、かなりきしみますが。
 低洗浄力のシャンプーの問題としては、洗髪後に育毛剤を使用する場合、皮脂が取りきれていないため(皮脂を残すというのが低洗浄力成分の目的<洗濯洗浄性という>なので仕方ないのです)、いくらかは浸透を妨げてしまうおそれがあることです。育毛剤の浸透性を取るか、地肌をとるかという問題ですが……、育毛剤は刺激によって一時的に発毛を促すものにすぎません。そこまで頼りにすることもないので、まずは地肌の健康を優先させるべきと私は思っています。

 
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2005年10月 6日 (木)

お知らせ3

お知らせばかりで申し訳ありませんが、本日、自著が発売となりました。
こちらでございます。

ページへ行って驚きましたが、amazonで注文して届くのに4〜6週間もかかるんですね。
高濃度のミノキシジル錠剤を飲んだかのように、血圧が一挙に下がってめまいがしました。
部数が少ないので、すみません。私がもう少しマッチョな男だったら、amazonに在庫仕入れるようにメールを送りつけるところですよ。えらいすみません。
本屋では7日に並ぶ予定ですが、大きな書店以外では、見つけるのが困難かもしれません。
……というか困難どころか、まるきり可能性ゼロと思われます。
えー、僭越ながら、ご注文いただくのが確実です。
試し読みできないのが難点ですが、そこらで売ってる育毛剤の3分の1以上の価値は
あるのではないかと、あるいは、うさんくさい育毛用シャンプー3〜4本ぶん以上の価値は軽くあるのではないかと思っております。(いや、もちろんないと困るのですが)
どうか、よろしくお願いいたします。

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2005年10月 3日 (月)

お知らせ2

 唐突ですが、またまたお知らせです!

 毛髪関連業界への潜入取材の成果をまとめあげました、私のはじめての本「育毛物語 実録潜入ルポ」が、10月7日ころ書店にならびます(書名をクリックしていただくとアマゾンへ飛びます。手に入りにくいときはお使いください)。
 業界の事情だけでなく、髪についてのありとあらゆる事柄をも徹底的に取材しておりますので、興味のある方はお試しください。効かない市販の育毛剤よりは、ずっと価値がある(?)かと思います。
 ということで、告知でした。

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今日のQ 「9 男性型脱毛かどうかの見分け方は自分でできる?」


「Yes」
 男性型脱毛かどうか……。この見分け方は重要です。正しい把握のしかたを知っていれば、対処法をえらぶための指針にもなるでしょう。ただし、前頭部から頭頂部にかけて、あきらかに薄いという場合、これは文句なく男性型脱毛であると言い切れます。この場では「最近、なにか薄くなってきたような気がする……」といった程度の男性が、自己診断をするときに参考になるよう説明したいと思います。
 さて、やり方を説明する前に、もう一度、男性型脱毛とはどのような特徴を持っているかを説明しておきたいと思います。男性型脱毛とは、前頭部から頭頂の毛の組織において、活性型男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)が過剰反応するために起こるものと考えられています。ホルモンに関連した異常がない限り、基本的に全男性に発現します。20代後半から30代から徐々にあらわらえてくるとされ、その進行の程度は、男性ホルモンレセプターの感受性が潜在的に高い人ほど強いとされます。
 この男性型脱毛が始まると、毛は生えかわるたびに、どんどんと小さくなっていきます。これを「毛のミニチュア化」あるいは「細毛化」といいます。毛は成長期に伸び、退行期でその発達を止め、退行期になると抜けます。抜けた毛穴からはしばらくしてまた毛が生まれ、成長期が再開しますが、男性型脱毛では、このサイクルを繰り返すたびに、成長期の期間が短くなり、十分に育たないまま退行期に入り、すぐに抜けてしまうようになるのです。これを「毛のサイクルダウン」と呼びます。毛が「サイクルダウン」して「ミニチュア化」するというのが男性型脱毛の特徴で、最終的に毛は産毛のようになってしまいます。ただし男性型脱毛になったからといって、すべての毛が均等にミニチュア化するわけではなく、白髪のように、極端に変化した毛がひとつひとつあらわれては、それが徐々に増えていくという進行の仕方をたどるようです。
 ですから、通常の毛に対してどれだけ、小さく細いミニチュア毛があるかの割合を出すことが、男性型脱毛であるかどうかを判定する方法となります。楽な(?)やりかたとしては一回の洗髪で抜けたすべての髪の毛を採取して、その中に、ミニチュア毛が何本あるかをチェックするのが良いです。中立機関である「日本毛髪科学協会」を取材したところ、誰でも1割近くはミニチュア毛を持っているとのこと。少々見つかった程度では、気にすることはありません。ただし、3割以上になってくると、男性型の本格的関与を疑うべきかもしれとのことです。
 さらに本格的に調べたい人には、マイクロスコープ(拡大鏡)の使用をおすすめします(100倍程度のスコープはネットショップで販売していたりするところがあります)。すべての抜け毛を採取して細毛率を割り出す方法では、男性型脱毛の起こらない後頭部や側頭部の毛も含まれているので、はげる部分とそうでない部分の細毛率が平均化されてしまうおそれがあります。これを防ぐために、前頭部、あるいは頭頂部の頭皮を拡大して、実際に生えている様子から、通常の太い毛と細いミニチュア毛の割合を勘定するのです。一画面中に見える全本数から、ミニチュア毛のパーセンテージを割り出し、それを何度か繰り返して平均値を出せば良いでしょう。こうして得られた前頭部、後頭部の細毛率が、やはり3割以上なら、男性型脱毛の関与を疑うべきです。ちなみに、後頭部や側頭部は(皮膚炎や甲状腺に異常がない限り)細毛率が1割程度となるはずなので比べてみるといいでしょう。このやりかたは某毛髪治療クリニックのやり方を参考にしています。
 自分で可能な診断方法はこのくらいです。これ以上の正確さを求める場合は、血液検査でデヒドロテストステロン値を調べたり(血中濃度が重要かどうか疑問ではありますが)、あるいはもっと厳密には、男性ホルモンレセプターの遺伝子検査を受けて、その感受性を調べるしかありません。これは一部の毛髪治療クリニックで実際に行っている検査です……が、遺伝子は個人のプライバシー中のプライバシー。安易に第三者に開示するのは、おすすめはしません。それに、遺伝子も一因にしか過ぎず、遺伝プログラムの発動には様々な条件が必要です。おおまかな傾向がわかるというだけでしょう。
 さいごにつけ加えたいのは、育毛サロンでも、毛髪の診断を行っているということです。しかし、上記のやり方とはまったく違っています。育毛サロンでは、毛根検査というのが一般的です。毛根を拡大して、脱毛の症状を判定します。例えば、「正常の毛の毛根は、毛の太さの2倍から3倍ある。そうでなければ、男性型脱毛である」と判断するのです。ところが、毛根の大きさというのはかなり個人差があり、また栄養状況などでも変化します。男性型脱毛は、毛根では判断できないのです。ちなみに私の毛根は、2倍あるかどうかというものです。これは私の体質なのですが、取材した育毛サロン(また発毛サロン)では、「すべての毛が異常で、完全な男性型脱毛。すぐに処置しないと危険」と脅されました。
 あくまでも、男性型脱毛は、毛の全体の大きさが縮小するものです。毛根からではわかりません。正しい知識を持って惑わされないようにしましょう。
    次回のQ 「10 市販のシャンプーは脱毛を招く?」

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2005年10月 2日 (日)

今日のQ 「8 ビタミン剤は育毛に有効?」


「No」
 育毛サロンなんかでは、健康増進効果やら、自然治癒力を上げるなどと称して、さまざまサプリメントを買わせようとするものですが、よくビタミンのサプリメントをみかけます。ビタミン類は、特に抗酸化能力、つまり老化防止を目的としてすすめられるものですが、確かに老化防止という点で見れば、老化現象と切っても切り離せない男性型脱毛の進行を遅らせるのに、まあ少しは役立つのかもしれません。
 抗酸化能力が強いビタミンの代表と言えば、ビタミンA(そしてその前駆体であるβカロテン)、ビタミンE、そしてビタミンCといった「免疫ビタミン」が挙げられるでしょう。ですが、ほんとうにこれらが健康を増進し、老化を遅らせてくれるのでしょうか? 
 結果から言えば、これらビタミンをサプリメントで摂取した場合、まったく健康増進に効果がないばかりか、逆に危険であるというデータが、大規模な調査により明らかにされてきているのです。まず、ビタミンAとβカロテンです。抗酸化能力や健康増進効果というものは曖昧なので、発ガンを遅らせることができるか、というのがひとつの指標として研究されうるのですが、例えばフィンランドでの3万人規模の疫学調査を見てみましょう。これによると、βカロテンサプリメントを摂取していた喫煙者の肺ガン死亡率は、そうでない群と比較して8%も上昇しておりました(The New England Journal of Medicine, April 14,1994) 。また、1万8000人規模のアメリカでの調査によっても、βカロテン、ビタミンAのサプリメント摂取は肺ガンと循環器障害による死因を高めてしまうことが報告されています(The New England Journal of Medicine, May 2,1996)。この間、発売されたばかりの健康本に、喫煙者は体内に活性酸素が多いので、抗酸化ビタミンであるビタミンAを摂りなさいとありました。しかし、上記の疫学調査を考慮すると、それは逆効果になりそうです。
 つぎにビタミンEです。 最近のカナダのラバル大学による研究によると、ビタミンEサプリメント(1日の摂取量としては多めの400IU)を摂取し続けた人と偽薬を与えた人、総計540人のガン罹患経験者を8年間追跡調査した結果、ビタミンE服用者のほうのガン再発時期が早まったとのデータが見られたそうです。
 ビタミンCは今のところ、危険性を示すデータはありません。ですが、ビタミンCは大量に投与すると、コルチゾールというストレスホルモンの分泌を促し、白血球を減少させ免疫力を落とすことが知られています(これはビタミンEも同様)。
 どうして良いと思われているこれら「免疫ビタミン」群が、逆に人の死亡率までを上げてしまうのでしょう? 答えは単純で「サプリメント」で摂取するからです。  サプリメントで栄養を摂る場合、全体のバランスを考えずに、単一の成分だけを取るハメになります。『ビタミン・ショック』(ハンス・ウルリッヒ グリム著 家の光協会)によると、ビタミン類成分は、細かく分けるなら、それこそ無数に分類されうるというのです。  例えばカロテノイドはβカロテン以外にも、現在650種類もの成分が推測されており、ビタミンAに変化するものだけでも50種以上存在します。たまたま現在の技術力で安価に合成できるのがβカロテンだけなのであって、これだけ摂っていれば健康になるなどということはないのです。ビタミンEにしろ、天然型と合成型があります。合成型は、dl-α-トコフェノールという名称で、安価に大量に製造されます。サプリメントはたいていこれです。(また、ビタミンCといっしょに酸化防止剤としてあらゆる加工食品に添加されてもいます)。これに対して、天然のビタミンEは、自然下では8種の異性体が複合した形で存在します。天然ビタミンEは、オリーブ油などの各種の油や、ピーナッツ、卵などに含まれるので、通常の生活では不足しません。ドイツなど欧州各国では、年々1日摂取推奨量や、摂取上限量を下げているほどです。そもそも、拒食症でもビタミン不足になることは稀です。というのも、人体はたいていのビタミンを、自ら作り出したり、他の栄養素から変換したりできるからです。  
こうしたことから、ノルウェーでは、「ビタミンの過剰摂取が有害でないという証拠はない」とのことで、ビタミンとミネラルを添加した食品の輸入を禁止しているくらいです。合成して作られたビタミン類が体内でどんな働きをしているのかもよくわかっていないのですから、賢明かもしれません。ビタミンは天然の動植物から摂るというのが基本です。ビタミンのサプリメントによる摂取は、過剰摂取を考えると、いささかリスキーな面があります。ガン罹患率の上昇を見ると、逆に老化をすすめたりすることにもなりかねません。髪のために、というのは見当違いになりかねないでしょう。
 結局のところ問題は、本当に健康によいものかしっかりした調査も行わずに、推測でビタミン・ブームを作り上げてしまったことなのではないでしょうか。こういう健康食品的なものは、医薬品と違ってしっかりしたデータなど取りません(医薬品でも疫学調査まではしないのが普通ですが)。例えば、今人気のコエンザイム(COQ10)なども、あれはビタミン類とはいえ、そもそも心不全の治療薬です。大規模な調査をして安全性をたしかめ、摂取限度などを決めてから販売するのが筋と思うのですが、やはりそういったところは省かれて、「健康にいい」という推測のままブームになってしまいます。
COQ10のつぎはリポ酸、つぎは……? いろいろと新製品が控えているのでしょうが、新鮮な野菜に勝るとは思えないというのが私の考えです。  

    次回のQ 「9 男性型脱毛かどうかの見分け方は自分でできる?」

「双田譲治の 〜果てしなき髪の世界〜」
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2005年10月 1日 (土)

お知らせ

唐突ですが、お知らせです!

自著「育毛物語」(10/7発売 コモンズ)の出版にあわせて、
ホームページを開設いたしました!

本に盛り込めなかった様々な情報や、育毛に関する基本的知識などを
データベース的に保存・公開するために作ってみました。
このブログとも連動して展開していきたいと思っていますので、
よろしくおねがいします!

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ps.
ブログも、もっともっと更新しますので、ちょくちょくのぞいてくださいね。

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今日のQ 「7 市販の育毛剤は若ハゲ対策になる?」


「No」
 残念ながら、なりません。なぜなら、男性型脱毛、壮年型脱毛という意味での「若ハゲ」というのは、あくまでも、内分泌(ホルモン)の変化によってもたらされるものだからです。一般的な育毛剤は、「血流促進」「細胞活性化」「殺菌」などの効能がありますが、だいたいこういう育毛剤は、強い刺激を与えて、そのショックでサイクルダウンした髪の毛を一時的に活性化させようともくろむものです。ですから、使いはじめて数ヶ月(影響を受けた毛が毛穴から見え出すには3ヶ月くらい必要)経過して、産毛がちらほらあらわれる可能性はあります。とはいえ、そこから先、太くたくましい毛になるかというと難しいのです。毛包組織が、刺激になれてしまうからでしょう。薬剤をどんどん強くするとか、効かなくなったら次のものに変えるとかすれば、引き続き髪は成長するかもしれません。……が、男性型脱毛の圧倒的なパワーの前には、早晩屈するでしょう。気にかかるのは、刺激を与えられ続けた頭皮が、ダメージを受け、フケ症などの皮膚炎を起こすきっかけにはならないか、ということです。
 数々の育毛剤の研究開発に携わった武田克弘氏の著作によると、現代の育毛剤は、その開発段階において、「1 生理機能の活性化 2 血管作動性の増強 3 酸化還元機能の亢進 4 毛髪代謝の賦活」----といった条件を満たしたものについて、「動物実験を行い、育毛効果をたしかめて、同時に安全性の試験も行」ったものだといいます。具体的には、小動物の毛を剃って皮膚の生理機能を確認したり、その耳に窓を開け血管新生の具合をたしかめたりして効果を測定するのです。
 このように、育毛剤の実際の開発となると、哺乳類一般の体毛を対象に試行錯誤が行われているといった次第なのです。
 「発毛の機序が解明された現在でも、残念ながら生育に関しては科学的にほとんど解明されていないと言わざるを得ません。(中略)毛の発生はさせられるが、正常のヘアサイクルを持った毛にはできないのです」(『毛髪の科学と診断』井上哲男・八木原陽一著 薬事日報社)
 ただ、現在は、男性型脱毛対策の育毛剤もでてきていることも確かです。例えば、男性ホルモンを活性型(デヒドロテストステロン)にする酵素(5αリダクターゼ)の働きを阻害する、植物由来の生薬成分などです。こういった抗男性ホルモン作用のある成分は、ノコギリヤシ、アロエ、ミカンなど、様々な植物に含まれています。こういう成分がどこまで効くか、というと……、あまり期待が持てないだろうというのが正直なところです。日常的に食する成分などに、ホルモンバランスを変えてしまうなどの大変な作用があったら、大変です。
 また植物性女性ホルモンなども、男性ホルモンを抑えてくれるのではないかと考えられてますが、これも眉唾です。筆者は毛深いのがコンプレックスでしたから、「あるある大辞典」を見て、抑毛作用があるとかいう大豆ローションを作ったことがあります。……もちろん無意味に近い代物でした。
 安全だということは副作用がないということ、つまりはたいした効果もないことだと考えていいと思います。すなわち、植物性抗男性ホルモン成分は、フィナステライド(製品名『プロペシア』)などといった医療薬物の代用品にはなりえません。イソフラボンなどの植物性女性ホルモン様成分が、合成女性ホルモン(避妊薬や更年期障害治療薬の成分)並の効果は持ち得ないようにです。(ただし、ノコギリヤシの抗男性ホルモン効果は、そこそこあるようで、前立腺肥大症の予防に少々の効果が認められているとのこと。ただ、髪にどこまで有効かはかなり疑問ですが)
 市販育毛剤が、男性型脱毛の頭皮において発毛をうながすといった段階はまだまだ先のことのようです。

    次回のQ 「8 ビタミン剤は育毛に有効?」

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